デング熱の国内感染ゼロに 伝染病の予防策に関する考察
2016/09/11
昨年のこの時期は話題になっていたデング熱だが、今年は全くと言っていいほど存在感がない。植木刈り込みの早期化、殺虫剤散布、肌露出防止の呼びかけなど、東京都が入念に対策をしたため、今期の感染者はゼロとなった。
デング熱のような伝染病は上記のようにアナログな対応でも対策はできるのだが、ここではデジタルな面から対策方法を考察してみたい。
スマホが普及しているんだから使いましょう
筆者はスマホや携帯電話のGPS機能を使うことで対策が行えると考える。今や国民の9割以上が携帯電話またはスマホを持つに至っている。患者の位置特定手段としては非常に有効であり、感染症拡大防止にはかなり使える。
GPS機能を用いることの一番のメリットは、リアルタイムで患者の位置がわかるということである。ピンポイントで位置がわかるため、迅速な対応が可能となる。医療機関の間で情報を共有することで、感染の広がりを抑えることができる。マイナンバー制度による個人情報管理と組み合わされば相当な効果を発揮するだろう。
日々の連絡用の端末の機能を利用するだけなので、専用のソフトをインストールする必要がなく、また追加の費用もかからない。国側でシステムを改良するだけで良いので、大きな効果が期待できる。
マイナンバーとうまく結びついてくれればよいのだが
GPSを用いた方法の課題としては、マイナンバーへの不信や個人情報管理のセキュリティがあげられる。マイナンバーという形で国が必要な情報を管理出来ない場合、対処の速度はどうしても遅くなってしまう。マイナンバーに関する事件が相次ぐ今の状況は不信の原因であり、早急な解決が求められる。いくら情報化するとはいえ、国民の理解が得られなければそれは不可能である。そのため、仕事のマニュアル化や個人情報の管理を徹底することが求められる。
郵便局員が自分でサインをしてしまったり、職場のパソコンから個人情報が漏れていたりするのが現状である。個人情報を扱う人の中にはITに疎い人もいるため、職場教育やマニュアル化が改良のカギとなる。学校教育における情報の教育というものはあまり褒められたものではなく、早急な改善が求められるレベルである。そのレベルの教育しか受けていない人たちがいきなり個人情報のような大きい物を扱うことになるので、職場での指導は入念に行わなければならない。
GPS機能とマイナンバーがうまく合わされば絶大な効果が生まれるのだが、その障壁は高く、一筋縄ではいかない。情報を扱う側が本質を理解しなければ管理の質も上がらないため、情報教育は重要性が上がっていくことだろう。情報化していく現代において、情報に背を向けるという選択肢はないのである。