中国人旅行者のマナーが悪いのはかつての日本と同じ
2016/09/11
日本に来て大量に物を買って帰る中国人。日本では中国人=マナーが悪いという図式が定着しているが、かつての日本を考えればそれを強く指摘することはできない。
中国人のマナーが悪いのは、最近になってようやく海外旅行する余裕が出来てきたからである。
経済的に成長して国民の多くが海外旅行に行き始める段階では、旅行に関するマニュアルが整っているはずがない。海外でどう振る舞えばいいのかわからない人が多くて当然である。右も左も分からない人間にハイレベルなことを期待しても無意味。
日本人は海外旅行に既に慣れているため、その点は多めに見てあげるというのが正しい選択だろう。
マナーの悪さに関して言えば、かつての日本もそうだ。1970年代以降、日本人の間では海外旅行が流行ったが、その頃は日本人のマナーが悪いことがたびたび指摘されていた。当時の日本人も海外でどうするべきかがわからず、物を爆買いしていた。
顰蹙を買う行為を繰り返していくうちにマニュアルが出来上がっていったのであり、かつての日本人は今ほどマナーが良かったわけではない。
今の中国の一人あたりGDPは1970年代の日本のそれと同じ。その段階で外国におけるマナーを国民が身に着けていたら天才的なレベルだ。国が経済的に成長してようやく贅沢ができるようになったというのが現時点での中国であり、まだまだこれからである。
もう40年もすれば中国人のマナーは今の日本のレベルとほぼ変わらなくなっているだろう。
まだまだ諸外国での振る舞いがわからないところは多めに見て、物を売るいい機会だと考えたほうがいい。中国国内では転売市場が賑わっており、作りが良い日本製のものは人気がある。
日本からすれば商売のチャンスであり、マナーが悪いからといって締め出す必要はない。あちらにとっても有益であるので、寛容さを持って受け入れるべきである。
中国はかつて日本がかつて来たのと同じ道を歩いている。今の中国は過去の日本であり、それを笑うことはできない。これから先中国を待ち受けていることも今の日本が抱える問題とあまり変わらない。温かい目で見守ってやるべきだろう。