半数が反対=半数は賛成 統計データの見方
2016/09/11
文部科学省の研究グループによるLGBTに関するアンケートでは、男性の半数が反対、女性の半数が賛成となった(Yahoo!ニュース)。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20151128-00000531-san-soci
詳細は引用の通り。
調査は今年3月、全国47都道府県の20~79歳の男女2600人を無作為抽出し、調査票を配布・回収する方法で実施。1259人(男性585人、女性674人)から回答を得た。
その結果、同性婚を法律で認めることについて、男性の50%が反対(賛成44.8%)、女性の56.7%が賛成(反対33.8%)と回答。年代別では20~50代で賛成が反対を上回ったが、60代と70代では反対がそれぞれ52.6%、61.4%と過半数を占めた。
統計的なデータを使って書かれている場合、そこで強調されない部分に関しても目をやる必要がある。
このアンケート結果で言えば、半数近い男性が同性婚について賛成しているということもできる。40パーセント強と、その数は決して少なくない。記事で強調 されているのは1位の結果であるが、2位の割合も同じぐらいある。そのため、記事で主張されている点だけを見て判断するのは早急である。すなわち、同性婚に肯定的な男性も少なくない(アッー!)ということである。
情報は他と比較せよ
メディアで報じられたりプレゼンで取り上げられる統計情報というのは、母集団、絶対値、割合の3つに注意しなければならない。
統計を取ったとしても100人程度ではとても正確なデータとは言えないし、回答数が多くても回答者が偏っている可能性もある。
割合については他の項目と比較してどうなっているか、同数のものはないのかといった点を見る。
また割合が高くても、絶対値が小さい場合はあまり参考にならない。
話者によって情報が発信される以上、情報にはバイアスがかかる。
得られた統計データの一位のみが強調されるなど、データは発信者によって加工されるため、受け手の私たちが話を鵜呑みにするというのは良くない。
大事なのは他と比較することである。
例えば、就活における内定率は毎年ほぼ同じであり、就職難だからといって例年より大きく下がっているということはない。
日本のGDPは時間軸だけずらして見た場合はここ20年であまり変化がないが、他国と比べてみると差が大きく開いている。
このように、情報というのは比較して初めてその内容がわかるというものである。
発信者は何かを主張するために統計データを提示しているため、そこには何らかの強調が加わることになる。
与えられた情報だけしか見ないというのは、相手の思うがままにされるということになる。
学校教育においては、まず相手を信じることが大切であるかのように教えられる。
相手を疑うことについてはあまり教わらない。
しかし、相手の言うことをホイホイ信用するというのは危険であり、その代表例がオレオレ詐欺である。
相手の言うことを鵜呑みにしてもいいことはあまりないので、普段から人を疑う癖を付けておくべきである。