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就活において運動部は有利か これからの変化を予測してみる

      2016/09/11


就活においては様々な噂が飛び交うが、その中の一つに「運動部は採用されやすい」というものがある。
運動部は上下関係が厳しく、先輩の言うことは絶対だ。
また、キツい練習に耐えることで忍耐力も身につく。
これら上下関係、忍耐といった要素を持つ人材は年功序列型の会社においては適している。

しかしグローバル化が進む昨今、結果主義を掲げる企業は増えてきており、求められる人材というのも変化してきている。
特にIT分野は結果主義が激しく、運動部でがむしゃらに頑張ったからといって入れるわけではない。
プログラミングが出来なかったりすればそこまでであり、容赦なく落とされてしまう。

筆者が気になるのは、運動部という理由で落とされることはないのかという点である。
情報化が進む現代社会においてはプログラマが力を握っており、プログラマのご機嫌次第という要素も少なくない。
学校において文化部と運動部がお互いを認めないように、就職においても運動部だからという理由で弾かれてしまう可能性は十分考えられる。
人間という生き物は自分と異なる人種に対しては拒否反応を示すため、運動部だけフィルターにかけられたとしてもおかしくない。

この点について、先日人事の方にお話をお伺いしたところ、今のところはないとのことだった。
IT系の会社において運動部が排斥されるというのはなく、平等に見られるそうである。

ただ、運動部が選択的に排除されるまでいかなくとも、仕組み上文化部の方が有利になってはきている。
運動部は社会主義の色が強く、結果を出せなくても続けるだけで褒め称えられる。そのような空気は結果主義とは相反するもの。
すなわち文化部の方が結果主義に慣れているために適合しやすく、結果として運動部より有利になるのである。

体育会系の人材というのは年功序列においては良いのだが、資本主義的な場においてはあまり効果的ではない。
日本がまだ元気な頃は年功序列でもやっていけたのだが、ここ20年で日本は衰弱してしまった。
そこに外部から結果主義の空気が流れ込み、年功序列は崩壊しつつある。
そのような環境ではがむしゃらに頑張っても結果を出せなければ意味がない。体育会系にとっては不得意な場である。

これから先、結果主義の流れはさらに強くなっていく。そのため、体育会系の人間にとっては過酷な環境になる。
学校教育における部活動の中には未だに年功序列の空気が色濃く現れており、消える気配はない。
子どもたちが育つ間にも社会はどんどんグローバル化していき、体力だけでは生き残れない環境になっていくだろう。
失われた20年とグローバル化の波によって日本は変革を迎えつつある。

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