人間関係とコミュニケーションの教科書

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ドクターは起業に向いてるんじゃないかって話

      2016/09/11


大学院博士課程、通称ドクター。
ドクターを出てからの働き口として言われるのは研究職ばかりです。
しかし私からすれば、何でそこだけしか見ないの?と思います。
ドクターやれるだけの力があるのなら、個人でも色々やっていけるでしょう。
研究できるだけの頭を持っておいてなぜ働き方を考えられないのか。
リスクを取って起業すれば、彼らも活躍できるんです。

 

まず博士に関する情報が少なすぎるので解説から。

博士というのは学士、修士と違って研究好きが行く道です。
修士までと違い、入学の際には研究計画書を書かされます。
将来的には教授や研究職になることが想定されていて、実験を一から自分でやります。
本気度が学士や修士のそれとは全然違うんです。

計画から実験、結果まとめまで全部やるのですから、理解度も必要となります。
事の本質をわかってなければ人に説明することはおろか、自分で組み立てることもできません。
そのため、博士の人は説明が非常に上手です。
専門外の人間が聞いてもわかるように説明してくれます。

生活の方はというと、研究のみならず下級生の面倒もみなければなりません。
自分の研究だけでアップアップなのに、下を育てることも求められます。そこまでやる必要があるのですから、土日に研究室というのも当たり前。
そのうえお金は出ません。むしろ学費としてお金を取られます。

これだけやったにも関わらず、企業からは扱いづらい人材として見られます。
学士や修士で卒業すれば社内教育で色付けできるのですが、博士卒の年齢では会社の文化に染まらないんです。
そのため就職のうえでも一苦労。
教授目指してポスドクに進むか、企業の技術・開発部門に進むかの2択になります。

30近い歳で実務経験もない。
そんな人間が学士修士と同じようにエントリーシートを送っても、企業からは突き返されるのみ。
一方で生活は博士よりもだいぶ厳しい。
このように博士というのは苦労の割にはたいして報われないんです。

上記のように就職はできず、ポスドク行ってもブラック。
博士というのはいいことが何一つないんです。

独立という選択肢を除いては。

前述したように、博士というのは物事を簡単に説明したり研究の仕方を知っていたりと、起業家に求められるものを全部持っています。
ビジネスをするにあたっては取引先にうまく説明できないとだめですし、業績を分析できないとやっていけません。
研究する上では課題発見能力が必要とされ、これもまた起業家に必須の能力。博士を出る時点で仕事に必要な能力は身についているのです。

そうなるのも当然のこと。
起業にしろ学術的研究にしろ、求められるものが同じだからです。
前者も後者もコミュニケーション力や課題発見力、分析力が鍵を握っています。
つまり、「研究力」というパラメータが関与しているのです。

どのように稼ぐのか、トラブルの際にはどうするのか。
これらは基本中の基本です。
ビジネスにおいては本質からの理解が求められ、アドリブで対応するというのも日常茶飯事。
結局のところ、計画から結果分析にいたるまで両者は同じなんです。

 

就職オンリーという風潮が邪魔をする

前述のようにかなりのアドバンテージがありながら、博士を出て起業する人はほとんどいません。
それもそのはず、世の中には起業=悪」という風潮が存在するからです。

博士の話というのはデータが少なく、学士や修士の情報しかありません。
就職して定年まで働くというのが定石になっているため、同じことを考えがちです。
しかし他と同じように動いたところで結果は得られません。もととなる条件がちがうのですから。
視野を広げてやる必要があります。

一見すれば潰しがきかず、研究職に進むしかないように思えます。
しかし広い目で見れば、実は博士は起業に向いてるんです。
足りないものといえばリスクを取る勇気でしょうか。
それさえあれば博士は独立して食っていけます。

周りが研究職についてばかり言わないため、本人も研究職にしか目がいきません。
せっかくの能力も使い方を知らなければないのと一緒です。
お金や時間をかけて学んだのに、それを活かせない。
そんなのはもったいないです。

あなたの身の回りにドクターの人がいるなら、研究職について話すことは控えてください。
そのことばかり話していては本人の未来が真っ暗になってしまいます。
本人は視野が狭まっているので、動けるのはあなただけ。
外の世界を見せてあげることで本人は非常に助かるんです。

 

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