大学院進学は一種の投資
2016/09/22
大学院に進む理由は色々あります。
研究したいから、モラトリアムが欲しいから、大学生活でやり残したことがある、etc…
進学については賛否両論で白黒付けられるものではありません。
ここでは院進学の解説とメリット・デメリット、および私の考えについて書いていきます。
理系なら修士以上が当たり前
まずはじめに言っておくと、大学院進学に関して私は賛成です。
大学は研究をするためにあるというのが建前ですが、実際は学部生での研究など研究とは呼べません。
院でしごかれてようやくといったところでしょうか。
少なくとも学部レベルでは研究とは言えず、そこから追求してこそ研究したと言えます。
ではまず、大学院進学についての解説から。
理系は大学院を前提としてカリキュラムが組まれており、企業の側もそれを想定しています。
専門的な分野では修士or博士卒が当たり前。
院進学はもはや当たり前の世界で、理系が学部卒で就職するのはめずらしいです。
一方、文系における院進学はやる気のある人しかしません。
文系に関しては院進によって就職が不利になるという一面があり、キャリアという観点からみれば非常にリスキー。
どちらかといえばデメリットの方が大きいです。
このように文系と理系とでは扱いが正反対。
文系の大学院に行った場合、教授や教員になる他ありません。
それとは対照的に理系は修士以上が当たり前で、進学しなかったら理由を聞かれるレベルです。
メリットとデメリット
メリット
次に、大学院進学のメリット。
院に進むことによって
・研究能力がつく
・技術者としての信頼度が上がる
・より長い時間学生生活を送れる
といったメリットがあります。
一つ目については思考力がつくという意味です。
学部生の研究など所詮研修に過ぎず、本当の研究は大学院から。
大学院で学ぶのは研究のやり方であって、各々の専門はあくまでも一つの例なのです。
二つ目は単純に勉強期間や研究から。
学部生より2年または5年長く勉強してきたということで、技術者として企業や社会から信頼されます。
研究で試行錯誤を重ねてきたということでその分期待も高く、それ相応の結果を出さなければなりません。
三つ目はモラトリアムの延長。
いくら大学院生とはいえ、所詮は学生。
研究の比率が大きくなっただけで、生活自体は学部生のそれとあまり変わりません。
デメリット
次にデメリット。
上記のようなメリットがある一方で
・社会に出るのが遅れる
・同じコミュニティに長くとどまることになる
・研究が好きでないとやっていられない
といったデメリットも存在します。
一つ目については会社の人材としては育てづらくなり、また親の脛かじりという点ではあまりいいとは言えません。
お金を出してもらっている以上、ノルマも高いです。
二つ目は研究が好きな人嫌いな人両方に重くのしかかるでしょう。
ひとつのコミュニティで健康的にいられるのは長くても3年。博士に進むというのは精神衛生的にはマイナスです。
三つ目は院のキツさを表していて、学部生のそれとは全然違います。
研究に関して求められるレベルがグンと上がり、好きじゃないとやっていけないぐらい。
そのため単に就職目的で行くのはおすすめしません。それほどキツいところです。
大学院進学は一種の自己投資
以上のことを踏まえ、私の院進学についての考えを書いていきます。
私にとって、大学院進学は投資です。
将来自分がやっていけるよう、時間やお金といったリソースを使って研究能力を身につけるのです。
そこで学ぶのは物理や数学といった専門的なものもありますが、一番は論理的思考力。
思考に思考を重ね、何度も実験を繰り返してこそ得られるものがあります。
そしてそれは学部生で得られるものの比ではありません。
今や全入時代ということで大学に進学する人は多いです。
そこではいかにまわりと差別化するかが重要になります。
研究という一つのことに打ち込むことで高卒や学部卒の人間とは比べ物にならないほどの思考力を得ることができ、それは大きな差別化要因となるでしょう。
単に差別化できる以外にも研究する能力が身についているので、裸一貫で突き進むことも可能です。
もし読者のみなさんが院に進む場合、反対意見は必ずと言っていいほど出てきます。
そりゃそうです。大半の学部生は4年で就職するのですから。マジョリティと違うことに対して反対されるのはごく当たり前のこと。
その時に大切なのが、院に進む理由がはっきりしていることでしょう。
自分の信念をもって突き進めるかが重要になります。
まわりがどう言おうとひたすら研究に励んでください。それぐらいでないとやっていけない世界ですから。
生半可な覚悟では返り討ちにされてしまいます。