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【書評】稲盛和夫「働き方」を読んで

      2017/10/09


就活にやる気がなさすぎて、四季報を開く気にすらならない。
そうしていたら、この本に出会いました。笑

はじめに感想をいえば、非常におもしろい本。
考え方について、参考になるところがかなりあります。
内容的には、大学を出るまでに読んでおくべきでしょう。読んでおいて損のない1冊です。

この本は仕事に対する愛と熱意であふれています。

ブラックと聞いてすぐに逃げる人間ほど、この本の内容は考えさせられるはず。

少なくとも、ハードワークそのものがブラックという考え方はなくなります。

働くことは悪くない

 「なぜ働くのか」「何のために働くのか」――多くの人が今、働くことの意義やその目的を見失ってい るようです。
日々の仕事を進めるための技術やマニュアルは、あふれるほど用意されているのに、働くということに込められた、根本的な価値を明らかにすることは、ない がしろにされてきました。
そのため、今、若い人たちの間で、労働を嫌い、厭い、できるだけ回避しようとする傾向が顕著になっています。
たとえば、「一生懸命働く」「必死に仕事をする」といったことを意味がないとか、格好悪いと冷笑する人さえ少なくありません。

わたし自身、「働くこと=悪」という考え方には否定的です。

1日に8時間を超えてやることが悪いのでしょうか。
土日返上で取り組むことが悪いのでしょうか。
そもそも働くことそのものが悪なのでしょうか。

ちがいますよね。
そんなの作られた風潮です。

マスメディアがブラックブラック言うし、自分たちも働きたくない。
だから働くことそのものを悪とし、徹底して叩く。
自分たちに都合のいいように解釈しているとしかいえません。

仕事というのは本来、ひとを幸せにするためにあるはずです。

それはやりがいというものだったり、お金というものだったり。
やりがいがあれば仕事が楽しくなりますし、お金を稼げれば自由を手に入れることができます。
一般に言われる「ブラック」は、悪い部分だけが強調されているのです。

悪い部分だけが強調され、いい部分が埋もれてしまっている。
これが「働くこと=悪」の原因となっていて、「なんとなく」的なものでしかありません。

最初から悪と決めつけてしまえば悪い部分ばかりが目につき、そのいい部分に気づくことはないでしょう。
ブラックというのは、どんどん悪い方向に進む考え方です。

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コツコツはこういうとこで使え

 人が驚くような大きな成果、どんな天才が成し遂げたのだろうと思える偉業も、じつはごく普通の人がコツコツと一歩一歩積み上げた結果であることがほとんどなのではないでしょうか。
つまり、「こうしたい」「こうあり続けたい」と、夢を思い描いた地点まで、一瀉千里にジェット機で行くような方法はありません。千里の道も一歩からで、 どんな大きな夢も遅々たる一歩一歩の歩みを積み重ねた果てに、やっと成就するものなのです。

日本ではコツコツ教が蔓延していますが、それは引用文におけるコツコツとは異なります。

文中では止まない努力のことを言っているのであって、コツコツ教におけるコツコツは「自分にリミッターをかける」というもの。両者はコツコツという言葉こそ同じものの、その指し示すことにはちがいがあります。

コツコツはイノベーションのために使うのです。
あくまでも将来的に革命を起こすための準備であって、みんなより飛び出ないためのものではありません。
日々の努力によって蓄積されていき、チャンスが来たら大きく出る。
そのような努力の積み重ねが120パーセントの結果を実現するのです。

このような書き方をすれば「何誤解してんだよクソが!○ね!」とか飛んできそうですが、事の本質はそこではない。
わらしべ長者がありえないことを考えればすぐにわかるでしょう。
大きな結果を出すためには小さな努力が欠かせない。大きいことをするために、小さいことをする。
こういうことを言っているのです。

コツコツ教に染まっていては、本質を見失ってしまいます。

何かを毎日コツコツやるというのは形式的なものではなく、大きいことをするための、れっきとした土台作りです。

大きいことをするということは、それだけ土台が必要となります。
それは経済的基盤であったり、人脈だったり、考え方だったり。大きく出るためにはベースとなるものが必要ですし、スケールするにあたっては考え方の正確さが重要。
そこに気づければ、コツコツやることの意味がわかってくるはず。
ブラックだの何だのといった言葉がバカバカしく思えてきます。

 

もうムリだと思ったときがはじまり

 何か一つのことをやり始めたら、それを「成功するまでやり抜く」、その執念にも似た強い思い、また達成するまでやり続ける「継続する力」が、成功のための必須条件となると信じていたからです。
「もう無理だ」と思った時点を終点とせず、仕事の再スタート地点と考え、成功を手にするまでは絶対にあきらめない粘り強さ。自分に限界を設けない、あくなき挑戦心――それこそがピンチをチャンスに変え、失敗さえ成功に結びつけることを可能とするのです。

ダメだと思ったときでもあきらめない。
最後までやってみないと、結果なんてわかりません。

必死の努力で最後までやってみたら、意外とできてしまった。
極限までハードワークを重ねたときには、偶然なのか必然なのか「奇跡」とやらが起こるものです。

このブログのタイトルはまさにそういうのを言っており、最後まで諦めないという精神論的なもの。
記事の大まかな方針としてはリテラシーという技術的なものを意識してやる一方、そのような精神論もやっていく。
要は組み合わせろと言っているんです。

サンクコストだの何だの言い訳をするひとはいますが、とりあえず最後までやってみるクセを付けましょう。
テストがわからないからといって白紙解答で提出するひとはいないでしょう。それと同じ。

何も書かなければ点数をもらえることはありませんが、何か書けば点数をもらえる可能性があります。

わからなくても、できそうになくても、最後までやってみる。選択肢がそれしかないという状況下ではそれをするしかなく、逃げることはできません。
そしてそのような状況下では、あきらめることや失敗を考えること自体がムダなのです。

「成功するまでやる」
途中であきらめてしまっては、成功することもありません。
何回も何回も挑戦し、成功するまでトライすればいいだけの話。
叩かれてもとりあえずよるという姿勢を貫くだけなのですが、多くのひとが理由をつけてあきらめてしまいます。

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ポジティブ思考で打ち続ける

 失敗した原因をよく考え、反省はしなければなりません。「あんなバカなことをなぜしたのだろう」と、厳しく自省をしなければなりません。しかし、十分に反省をしたのであれば、後は忘れてしまうことです。人生でも仕事でも、いつまでもクヨクヨと思い悩むことは、百害あって一利なしです。
十分に反省した後は、新しい目標に向かって、明るく希望を持って、行動を起こしていけばいいのです。

失敗というのはデータとして記録すべきことですが、記録したら次のことを全力でしましょう。
そこで失敗を引きずっていてはパフォーマンスも落ちるもの。
原因解析をし次第、また楽しく取り組めばいいのです。

失敗を引きずってネガティヴになっていては、建設的な意見やアイデアは出てきません。

成功を目指して何回も挑戦することの方が、くよくよしているよりもずっと効果的。
試行回数を増やすことで成功確率は上がりますし、失敗したとしてもPDCAサイクルが回って次からは成功しやすくなる。
失敗したとしても、ネガティヴにならずに、ただひたすらにチャレンジし続けるというのが一番合理的なんです。

もし何かにチャレンジして失敗した場合でも、そこで得られたものは他では得られません。
どうすれば失敗するという経験や、どこをどうすればいいというノウハウは、かなりの価値があるもの。

その積み重ねによりやりやすくなっていくのは言うまでもない。
過度に失敗を受け止める必要はこれっぽっちもありません。

ネガティヴになっているヒマがあったら、ひとつでも多くの弾を撃ちましょう。
1回だけでは当たる確率はかぎりなく低いですが、それが何十発何百発とつづけばきっと当たるはずです。

ポジティヴの塊でどんどんチャレンジしていき、ネガティヴな感情ごと撃ち落とす勢いで取り組む。
失敗続きで問題に悩むのではなく、こっちの猛攻で問題の側が悩むぐらいでちょうどいいのです。

 

書いてあることは当たり前だが、だからこそむずかしい

上記以外にもいい部分はたくさんあります。
それらに共通していえるのが、自分を信じてひたすらに努力するというタイプのもの。
いわゆる書いてあることは単純、実際にやるのはむずかしいといったことです。

やるべきことを、愚直に、ただひたすらやる。
これがなかなかむずかしく、簡単にできたら誰も苦労していません。
だからこそできるひとは貴重ですし、大きく成功もします。

本の最後には有名な

人生・仕事の結果=考え方×熱意×能力

というフレーズが書かれています。
この考え方はひとによって受け取り方もちがってくることでしょう。

「能力のない人間は、いくら頑張っても大成することはない。生まれた境遇に逆らうこと自体がムダ。」と考えるひとがいる一方で、「考え方や熱意でなんとでもなる」と考えるひともいます。

ハッタリと努力でやっていくというのは、まさに後者の考え方。

能力の有無なんてやってみなければわかりませんし、才能がないように見える人間でも極限まで追い込むことで、結果がでることもある。

可能性という観点もふまえると、後者の考え方の方がお得なのです。

この本は率直にコンテンツとして読む分にはおもしろいのは当然のこと、一歩引いた視点から見ても参考になる部分が多いです。

当たり前のことしか書いていませんが、それこそが重要で、みんなそれができなくて苦労する。
引いた視点から読んでみれば、そのことがよくわかります。

四季報のかわりに読んだこの本ですが、かわりに読む以上の価値があります。
それこそ書いてあることができれば、四季報いらずということになるでしょう。

それほどまでにこの本に書かれていることは重要であり、カギとなるもの。
考え方としてかなり参考になります。

 

 

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