リッチな生活は日常から 「お金持ちになる習慣 『生きたお金の使い方』が身につく本」加谷 珪一
2016/09/17
お金全般に関するノウハウが書かれた1冊。
お金が貯まらないひと、これから稼げるようになりたいひとには結構おすすめです。投資についても書かれています。
内容としては、おもに日常生活における小さいことについて分析するケーススタディとなっています。
実際、普段のちょっとしたことがお金を扱うセンスに絡んでくるので、このやり方は結構効果的です。
Contents
その節約や貯金は何のため?
Aさんの同僚がそれぞれ主張するように、お金持ちになるには、以下の二つの方法があります。というよりも、この二つの方法以外にないと言ったほうが正確でしょうか。
①大きく稼ぐ
②節約して貯める
現実問題として、それなりの額の資産を築こうと思った場合には、①の大きく稼ぐという選択肢を選ぶ必要があります。しかし、もう一人の同僚が言うとおり、独立したり起業したりすることには大きなリスクを伴います。大きな稼ぎというのは、そうしたリスクと引き換えに得られるものなのです。
あなたは何のために貯金していますか?何のために節約していますか?
お金持ちになるためでしょう。
しかしお金持ちになるためにはそれだけではダメで、どこかで賭けをする必要があります。
たしかに、節約や貯金によってまとまった額のお金を作るのはだいじです。
ですがそれだけではせいぜい数千万が限界で、億単位はむずかしい。
特に働かずに暮らしていけるだけの資産を作るには、貯金や節約だけではムリなのです。
大きな額のお金が欲しければ、それに応じてリスクを取る必要があります。
何のリスクもなしに稼げるなど虫のいい話はなくて、あるタイミングで持てるお金を全投入し、必死で働くということが必要です。
もし貯金や節約だけでお金持ちになれるのなら、誰もがお金持ちになっているでしょう。
しかし実際にはお金持ちになれていない。だとすればやはりリスクを取らなければならないのです。
無目的な貯金、無目的な節約はストレスのもとです。
特に節約については我慢した結果ストレスがたまり、発散するために消費してしまうというのが少なくありません。せっかく浮いたお金をストレス発散でなしにしてしまっては元も子もありません。
どんぶり勘定っていいことなの?
多くのお金持ちの人が、どんぶり勘定に対して寛容です。
(中略)
お金持ちの人が基本的にどんぶり勘定なのは、お金を過剰に細かく管理することに何の合理性もないからです。
お金を出すにあたっては、どんぶり勘定でも問題ありません。
過剰に細かく考えることによってストレスになっては元も子もありませんし、いちいち家計簿に記録していては支出を覚えるクセがつかないでしょう。
どこでどれぐらい使ったのかを大ざっぱに覚えておけばよいのであって、詳細な額については覚える必要はないのです。
大まかな支出を把握することは節約につながりますし、家計簿に記録する手間を省くことができます。
お金の出入りについては割合で考えるというのも重要で、それによって支出の大きなところから削るというのも可能です。
また外食に行った際、割り勘で1円単位まで指定するのは悪いイメージを生むことに他なりません。
そこは積極的にどんぶり勘定をするところであり、普段からどんぶり勘定するクセがついていれば容易に行えます。
しかしどんぶり勘定に慣れていないと、そういうところでとっさにやることはできないでしょう。
大まかな計算ができるというのは、ストレス回避と支出の制御に役立ちます。
前者は言わずもがな、後者は過度にお金を使いすぎるのを防ぐのにつながり、結果としてお金がたまりやすくなるのです。
つまるところ、1円単位でお金の計算をする必要はありません。
だいじなのは自分の消費傾向を知ることです。
自分がどんなところでどのぐらい消費していて、原因はなんなのか。
これを知ることによって、家計簿がいらないというおまけ付きで管理力がつきます。
買い物のコツ
お金持ちの人が即断即決と言われるのは、半分本当ですが、半分ウソです。
直感で即断即決している人も中にはいますが、多くの人が、自身の判断基準というものをあらかじめ持っており、これに合致しない場合には、決断を下さないのです。結果的に、すぐに決められるものについては、即断即決しているように見えるわけです。
買い物する際、あなたは迷う方ですか?
よく迷うというのは、それだけ買い物におけるルールがはっきりとしていない証拠。
それによってむだ遣いが増えるのは目に見えています。
買い物におけるルールを決めるというのは、思いのほか重要です。
何が必要かを事前に決めておくことで、余計な買い物をしなくて済みます。
即断即決できるようになる頃には、結構な買い物力がついていることでしょう。
下手な買い物をしなくなるので、結果として節約につながります。
一般に、お金持ちのひとはガンガン消費しまくるイメージが強いです。
たしかに使う金額の多さから、そのようなイメージができあがるのもムリはないでしょう。
しかし実際はそれとはちがい、浪費しまくるというのはありません。
お金持ちのひとは1回あたりの金額こそ高いですが、買い物の回数はそれほど多くありません。
金額が高いのに即断しているように見えるのは、自分なりのルールを持っているからです。
どのようなものであれば買うかがあらかじめ決まっているので、何百万という額ですらお金持ちは即決します。
ヴィジュアル的には「高いものを何も考えずに買っている」ように見えますが、実際には自分のルールに沿って判断しているだけ。
お金持ちの買い物は意外と単純なのです。
あなたはモノを買うとき、何を基準に買う買わないを決めているでしょうか?
著名人が宣伝していたからというのでは、いい商品を探すのはむずかしいですし、ムダな買い物も増えてしまいます。
お得に買い物したければ自分なりのルールを持ち、商品を見る目を養うべき。
いい買い物をしたときのことを思い出してみれば、自分にとって必要な物もわかってるくるものです。
つまるところ、一般人でも、買い物のルールを決めておくことぐらいはできるでしょう。
それによって余計な買い物をしなくなります。
そこで浮いた分のお金を本にでも回せば、あとあと収益を生み出すことにつながるもの。
そうしてだんだんとお金持ちに近づいていくのです。
人付き合いはどうすればいいの?
つまりOさんにとっても、Kさんと親しく付き合うメリットは何もないのです。その人がよほど自分に利益をもたらす相手でもない限り、嫌な思いをしてまでも付き合う必要などまったくありません。
結局のところ自分にとって本当にためになる人脈というのはそれほど多くありません。広くフラットに多くの知り合いを得ることは理想的ですが、相手もそれを求めている保証はないのです。
自分にとって重要と思える相手とのコミュニケーションに集中した方が、生きた人脈を得ることができるのです。
お金と人間関係には密接な関係があります。
ある程度賢いひとは、付き合うひとを選ぶのです。
自分にとって何の利益もないひととは、付き合わないのが基本です。
レベルが合わなければ得られるものもなく、当然話題も合いません。
余計な人脈は、あなたを消耗させるものでしかないのです。
このような人脈形成は戦略的であり、不快感を持つひともいるでしょう。
しかし実際には自分より格下のひとというのはあんまり覚えていないもの。
もし自分にとって有益な人間であれば、積極的に名前や特徴を覚えようとするはず。
ことばにすると目立ちますが、意外と小さい頃からやっているものなのです。
もしあなたが誰かに避けられていると感じるのなら、自分の価値について見直すべきでしょう。
あなたが付き合いたいと考えているあのひとに対し、あなたはどのようなものを提供できますか?
避けられているというのは、それだけ得られるものがないとみなされている証拠。
避けている側はメリットがないから避けているのであって、そこには何らかの理由が存在するのです。
付き合ってほしいのであれば、こちらも何らかのものを提供すべき。
あっちのお世話になりっぱなし、寄生しっぱなしでは、そのうち距離を置かれてしまうでしょう。
これは相手の立場になって考えればすぐにわかること。
何のメリットもないのに付き合いたいと思いますか?思いませんよね。そういうことです。
優秀なひとというのは、いつも時間に追われているものです。
たとえ忙しい素振りを見せなくても、裏では忙しくしているもの。
そのため時間のムダにはかなり敏感で、時間のむだ遣いに対してはトコトン嫌う。
付き合うだけでムダになる人間とは付きあおうとしないので、こちらが成長するしかありません。
見た目を軽視するな
人は見た目で9割が決まる、などとよく言われますが、これは本当です。人は想像以上に相手の外見から大きな影響を受けています。
同じ「こんにちは」という言葉でも表情や仕草、着ている服装の雰囲気で相手に与える印象はまるで違ったものになります。最初の印象が悪いと、その後のコミュニケーションで劣勢を挽回するためには、相当な努力が必要となります。したがって、外見をよくしておくことには、大きな意味があるのです。
ひとはほぼ見た目で決まります。
世の中でいわれる「見た目よりも中身だろ」は、庶民の願望でしかありません。
考えてみてください。
見た目がキレイなひとと汚いひと、どっちに好感をもちますか?
前者ですよね。そういうことです。
また、第一印刷というのはあとになって覆すことができません。
忙しくて有能なひとほど性格を細かく観察してということはする時間がありませんので、最初に会ったときの感じから判断するもの。
あなたが認めてほしいと思うひとはあなたから見て有能であり、自分の性格を細かくチェックしてくれるということはありません。
だとすれば、パッと見の印象をよくするほかないでしょう。
そのような事実を理解し見た目に気を配るというのは、かなりの気づかいといえます。
見た目をよくするというのは誠実さのあらわれであり、相手のことを思っている証拠。
第一印象で判断するということを理解してようやくスタートラインに立てます。
スマホやタブレットとの向き合い方
お金という視点で考えると、何度もスマホを買い換える人や、逆にガラケーにこだわっている人は、どちらも、お金とはあまり縁がないように思えます。
新しいツールに振り回されてムダなお金を使うのはいけませんが、こうしたツールはそれなりの頻度で新しいものにしておく方がよいでしょう。
スマホやタブレットは、ただ単に買えばいいというわけではありません。
ひととの話題作りに使ったりするなど、目的をもって買いましょう。
安易にガジェットを否定するひとがお金に縁がないのは当然ですが、かといってやみくもにお金を投じればいいというわけでもありません。
自分でその使い道を考えてはじめて効果が出てくるのです。
買う理由はあくまでも自分本位でこそ意味があって、まわりが使っているからというのは理由にはなりません。
何に対してお金を出しているか考えずにあれこれ買うのは問題ですし、逆に全否定してガラケーを使い続けるというのも問題です。
話題作りや仕様変更に耐えられるように動くのがよくて、それを意識した買い方をするべきです。
もしあなたがガジェットに対して固定観念を持っているのであれば、まずはその固定観念を捨て、見方を中立にするのがいいでしょう。
メリットデメリットを意識してはじめて効果が出てくるのであって、何も考えなければ恩恵もありません。
聞き上手にはかなりのメリットがある
商談であれ、人間関係であれ、大事なことは自分が語ることではなく、相手に語らせることです。
営業成績が非常にいい人や、出世が早い人、仕事ができる人の多くは、聞き上手です。
あなたは普段、自分がしゃべってばかりになっていませんか?
会話で自分のことばかり話してはいませんか?
もしそうであれば、即刻修正すべきです。
話してばかりなことによるデメリットは
- いい印象を持たれない
- 相手が語る機会がなくなる
というものがあります。
前者は相手が喋りたくなくなるのがわかるでしょう。
一方的に言葉をあびせられてばかりの会話には、あんまり行きたくなくなるはずです。
後者は相手から情報をもらえなくということにつながります。
お金持ちになるうえではいかにして相手から目標の情報を聞き出せるかが重要。
喋ってばかりではそのチャンスを潰してしまいます。
つまるところ、お金持ちになるためには聞き上手になったほうが圧倒的に有利なんです。
印象が悪くなるどころの話ではなくて、相手からオイシイ情報を引き出せるチャンスを増やすにはそうしたほうがいいのです。
話している時間を考えても、こういうのはわかりやすいでしょう。
相手が喋る時間が増えれば、その分いい情報が流れてくる確率があがりますよね。
儲けたい、得したいのであれば、聞きに徹する以外に選択肢はありません。
パートナーを選ぶコツは価値観
しかし、パートナー選びが大事だからと言って、単純に、今、お金があるないといった理由で相手を選んではいけません。それでは精神的な満足が得られないばかりか、経済的にもうまくいかない可能性が高いからです。
よいパートナーを見つけるためには、相手の経済状況を知ることではなく、経済的なことに対する考え方を知ることが大事です。
「お金で女は買える。」
たしかに、まちがってはいません。
しかしそれを過信してはダメで、特にパートナー選びにおいては重要な要素となります。
パートナーを選ぶにあたっては金銭的な価値観が合うことが重要です。
単に年収がいい、資産を持っているからといって選んではならず、「お金をどう使うか」という価値観が一致するのが理想です。
金銭感覚が完全に一致するとまではいかないにしても、「何にお金を使わないか」ぐらいは同じほうがいいでしょう。
やりたいことが一致する結婚がうまくいかない一方で、やりたくないことが一致する場合には案外うまくいったりするもの。お金についてもそれと同じです。
お金のことをパートナーと話すのは勇気がいるかもしれません。
しかし人生そのものを変えてしまうお金という存在について、最高の理解者であるパートナーと議論できなくてどうするというのでしょうか。
そこで議論できなくては、あなたが億単位のお金を動かせるということもないでしょう。
それぐらいできないと、お金持ちになるというのもむずかしいのです。
その自己投資、本当に投資ですか?
若い時にお金とどう付き合うのかは非常に大事なことです。あまりケチケチせず、思い切って留学に支出するというのも一つの考え方でしょう。
しかしながら、どのようにお金と付き合ったらよいのかは、その人がどういう人生を送ろうとしているのかによっても大きく変わってきます。
自己投資はものにもよりますが、決して小さい支出ではありません。
現在の自分の置かれている状況や、自己投資への効果についてしっかりと分析をしないまま支出をしてはいけないのです。
無計画な自己投資は、ストレス解消でむやみに高額商品を購入することと、本質的に同じです。これは生きたお金の使い方とは言えないでしょう。
自己投資は利回りが最高にいいです。
数パーセントとかいう値がゴミにみえてしまうぐらいで、知識に投資せよというのはもはや定番です。
しかし自己投資が生きるにも条件があります。
それは自分の生き方と合っているということ。
自分の行こうとしている方向に対して適切であれば、読書も体験も生きるでしょう。
逆に、自分の行こうとしている道とは異なるものを吸収してもあまり効果はありません。
あなたはなぜ英語を勉強するのでしょうか?
単に勉強したいから?
それとも仕事で使えるから?
もしその英語が本当の自己投資であれば、仕事に使える、ビジネスチャンスが広がるというものを理由に持つべきでしょう。
勉強そのものが目的化してしまい、刺激を求めるために勉強していては、せっかくの勉強も消費で終わってしまいます。
ひとつコツをあげるとすれば、消費を投資に変える力を身につけることでしょう。
単に勉強していては消費で終わってしまいますが、そこからノウハウを教えるというネタに気づけば、その勉強は投資に変化します。
勉強というテーマは多数の分野があり、お金になるものも多数存在。
ノウハウを売るというのは予備校ですし、アドセンスで収入を得るというのもできます。
やり方自体はいくらでも存在し、あとはそれに気づけるかどうかです。気づければ一気に投資に変わります。
ケーススタディでお金のことが学べます
この本に書いてあるのは、上にあげたように日常生活の1コマ的なのがほとんどです。
つまりはほんの小さいことばかりであり、ひとつひとつなおしていくことが可能。
書いてあることを愚直に実践していくことで、だんだんとあなたもリッチに近づいていけます。
また、書いてあることが非常にプラクティカルなので、明日から生かすということもできます。
それによって稼ぐチャンスを得られるでしょうし、さらには運命を変えてくれるひとと出会えることもあるでしょう。
経済的なものと向き合うにあたり、この本を読んで損はしません。
お金に興味があるひとは是非読んでみてください。