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【書評】「あらゆるニュースをお金に換える 億万長者の情報整理術」加谷 珪一

      2017/09/10


いかにもあやしそうなタイトルな本。
大丈夫です、中身はちゃんとしてます。笑
読んでおいて損はしません。

タイトルからわかるとおり、この本はリテラシーについての本です。
ニュースで報道された例をあげながら、どのようにニュースをとらえればいいのかについて書かれています。

情報というものは発信される時点で、何らかのバイアスがかかるもの。
受け取る側としてはバイアスから自由になるべきなのですが、多くのひとが自由になれていないのが現状です。
特にマスメディアの情報を生かせるかのちがいは大きく、いかに報道に惑わされないかは重要となります。

情報は比較してなんぼのものです。
その比較の仕方を知っているかどうかがちがいを生むといってもいいでしょう。

定点観測、時系列、他者との比較など、比較の仕方はさまざまあります。
それらをどこでどのように使っていくかが大切で、そのちがいが利益の差を生むといっても過言ではありません。

 

ニュースは前後関係が重要

 同じニュースを見聞きしても、人によってその意味を正反対に解釈してしまうというケースは少なくありません。しかし、ビジネスや投資の世界において、こうした解釈違いは思わぬ損失につながります。

マネー・インテリジェンスの高い人は、情報の前後関係を必ず確認します。単発の情報だけでは、全体像が分からないからです。

ニュースが報じられた際、前後関係を意識しないと「見出しやグラフに惑わされる」ということにつながります。
見出しで「○年連続」「○○ヶ月連続」というのがあったとしても、それは目を引くためのものだと割りきって冷静に分析すべきです。

たとえば「20ヶ月連続で物価上昇」という記述を見たとき、あなたはどう考えますか?
「おお、20ヶ月も続いたのか」と考えていては発信者の思うツボで、実際にはごくわずかしか物価が上がっていないというオチだったりします。

こういうのが海外のデータと比較されたとき、リテラシーのちがいがモロに出るものです。
よく引き合いに出されるのがアメリカであり、対象となる期間や補正の有無について考えないとまちがいなく情報を誤解します。
そして文章でも「○○の大きさだった」と、あたかも変化が大きいかのように報じますので、それを鵜呑みにしてはいけません。

日本人は海外のものにはトコトン弱く、また不安を煽られるような報道をするのが発信者としては都合がよかったりするもの。
マスメディアのデータは一見して客観的に見えますが、実際には味付けされていることがほとんどです。

マスコミのデータにバイアスがあるのは、彼らもビジネスでニュースを報じているからです。
そこには何らかの意図が隠されているのであって、利益目的でやらないはずがありません。
そうして心理的に消費されるコンテンツというのを彼らは作っているのであり、その点は最低限の認識として頭に入れておくべきです。

 

タテの比較、ヨコの比較

 情報分析をするにあたって、もうひとつ確実に押さえておかなければならないポイントがあります。それはタテとヨコという考え方です。
タテは時代を遡って状況がどう変化したのかを考えることです。ヨコは、他者との比較を行うことを意味しています。国レベルであれば諸外国との比較、企業であれば他社との比較ということになります。
 タテの比較が重要なのは、物事の真実は、絶対値よりもその変化の中に見えてくることが多いからです。
(中略)
ヨコの比較は、他者と比較することで、問題をどう解決したらよいのかのヒントを容易に得られるからです。

時間軸での比較、他者との比較をすることは真実の発見につながります。

たとえば「新卒3年3割」という言葉がありますが、これについて最近話題の「ブラック企業」が原因とだけ考えてしまうと少々おかしなことになります。
大学新卒の3年以内の離職率はここ15年ぐらい3割前後のままですから、ブラック企業のせいでそうなったというのは言い過ぎでしょう。
労働環境による影響のほかにも価値観の変化も考慮してやる必要があって、フリーターという考え方が広まりはじめたことによる影響も無視できません。

就職氷河期という言葉にも、タテの比較をするとそこまでではないと考えることができます。
毎年決まった時期にマスメディアでは「就職氷河期」という言葉を多用しますが、内定率や就職率をゼロ基準で考えるとただの煽りだと気づくことができるでしょう。
それらの数値はここ20年ぐらいずっと似たような値を取りつづけており、気づいているひとは「今年も就職氷河期がやってくるな~笑」と見ているわけです。

ヨコの比較については、他者との比較で見ることで問題点が浮き彫りになります。
特にランキングで日本が扱われている際、他の先進国はどうなのかという具合に比較してやれば特徴が見えてきます。

たとえば2014年の男女平等ランキングではドイツやフランスが20位以内となっている一方、日本は104位でした。
トップはアイスランド、つづいてフィンランドというように、上位国はお決まりパターンとなっています。
ランキングの評価基準はビジネス面、教育面、健康面、政治面の4つであり、議員の男女比や職場の給与格差が基準に盛り込まれています。

そのデータをタテで比較してやると、日本は100位以下のままで推移していることが分かるはずです。
そこから日本は、男女平等についてあまり対応できない体質であることがわかります。

タテとヨコを考えることは、誤解防止だとか落ち着いて受け止めるだとかにつながるものです。
情報が与えられたときにはまず比較する姿勢が重要で、それによってバイアスがかかっているだとかを見抜けるのは言うまでもありません。

 

キュレーションメディア、本当に客観的?

 グノシーやスマートニュースは、システムの中に利用者の好みを分析するアルゴリズムを実装しており、閲覧履歴などから、利用者が好む情報を積極的に選択して配信します。
つまり、情報の偏りをなくすのではなく、むしろ積極的に利用者の好みに合った情報を提供するサービスというわけです。

 キュレーション・サービスの場合は、識者が自ら論文や記事を書いていないだけで、提供している機能はオピニオン誌と同じことになります。
結局のところ、人々の願望によって情報が形づくられていくという状況は何も変わっていないことがわかります。

最近ではネットによる情報収集をするひとも増えてきています。
別にそれ自体は悪いことではないのですが、偏りがあるという点には注意しなければなりません。

キュレーションサービスは一見して公平に見えるでしょうが、実際にはバイアスを積極的に利用しています。
利用者の好みをアプリが解析し、それにあわせて情報を提供するという仕組みです。

キュレーションアプリ以外にも、Youtubeではこの手の情報選択が用いられています。
Youtubeのトップ画面に「あなたへのおすすめ」「もう一度見る」というのがあるでしょう。
それはYoutubeがあなたの好みを解析しているということです。

これらはユーザーの消費傾向から情報を作っているといっても過言ではありません。
つまりユーザーの欲しい情報ばかりが並ぶようになっていて、そこには大きなバイアスが存在します。
テレビとちがうのは舞台がネットやスマホとなっただけであり、本質的なちがいはないのです。

もしあなたがメディア分野で稼ごうとしているのであれば、裏で何が起こっているのかを考えるべきでしょう。
消費者としてただ単に消費しているだけではダメで、裏方に着目できるようになる必要があります。

 

ブログも読み方次第

 ブログから得られる情報で最も価値があるのは、現場の生の情報です。特に情報を提供している本人が、純粋に日記のつもりで記述していて、金銭的・政治的な目的を持っていないものは最高の情報源となり得ます。

 自己主張が強いものの、そこを割り引いて考えれば、有益な情報を提供してくれるブログや、まとまりには欠けるものの、自己主張がほとんどないブログなど、有益な情報源になるブログはそれほど多くありません。
しかし、そうしたブログに出会うことができれば、あなたの情報収集・分析能力は一気に高まるはずです。そのためには、ジャーナリストが日々、情報源を求めて取材を重ねるように、コツコツとネット上でのサーチを繰り返す以外に方法はありません。

本の後半にはブログの読み方についての記述もあります。

ブログというのは無料で書けるものが多く、それゆえに情報の質は担保されません。
しかし有益な情報が含まれるのも事実であり、うまく使えばかなりの効果を発揮します。
無料で使えるからといってダメな情報ばかりではないです。

狙い目としては、上記の引用にもある通り利益を求めていないものです。
あまりバイアスがかからないまま現地の情報が手に入りますし、ニッチな情報が得られる場でもあります。
さらにはアーカイヴ機能もあり、データの比較も可能です。

いいブログを見つけるうえでネックとなるのは、量の多さでしょう。
ためになるブログをブクマするにしても、それなりの量を読む必要があります。

優秀な情報源にはなかなか巡り会えませんが、ひとつ見つけ出すとそこから芋づる式に色々とオイシイ情報が手に入ります。
これはブログのみならず、Twitterなどのソーシャルアカウントについても同じことです。
なんとかしていいソースを1つ見つけ出すまでが大変であり、見つけさえすればフォロワーをたどるだけで済みます。

情報や情報源を探すうえでは、検索機能を多用するとgood。
Googleでキーワードを組み合わせて探すもよし、リアルタイムの情報を検索するもよし。
検索も数をこなせばいい情報が手に入りやすいです。
0ブクマで放置されていることもめずらしくありません。

 

情報に惑わされないために。情報を生かすために。

上記以外にも、情報の取り扱いについて基本的なことがいろいろと書いてあります。
ミクロとマクロの比較、ヒューミント、etc…
これを読んでからほかの媒体を読むと理解がしやすいです。

無料で公開されている情報のなかにも、有益な情報はちゃんと存在します。
しかしそれに気づくことはむずかしく、また取り扱いに技術がいるのも事実です。
この本は無料の情報を有効活用する技術がたくさん書かれており、読んでおくとその後の情報収集が効率化されます。
マニュアルとして持っておいて損はしません。

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