【書評】松下幸之助 道をひらく
2018/05/01
- 一生ものの知恵が欲しい
- 時代を問わず使える考え方が知りたい
- 本質的なことを学びたい
1968年に出たものの、この本には未だに使える知恵が詰まっています。
もしあなたが生涯にわたって使っていける考え方を身につけたいのなら、この本はオススメです。
お得な生き方をするためのヒントが多数書かれており、読んで実践することであなたの生活は激変することでしょう。
上の人生ステージに行くための考え方満載です。
Contents
人生は止まらずに歩き続けるもの
この道が果たしてよいのか悪いのか、思案にあまる時もあろう。なぐさめを求めたくなる時もあろう。しかし、所詮はこの道しかないのではないか。
あきらめろと言うのではない。いま立っているこの道、いま歩んでいるこの道、ともかくもこの道を休まず歩むことである。
わたしたちが日々生活していると、たまに考えてしまうことがあります。
「この選択でよかったのか」
「もっといいやり方や選択肢はなかったのか」
過去を振り返り、今の自分に対して迷いが生じてしまうことはめずらしくありません。
しかし過去は変えられず、未来も予測できない以上、日々やるべきことをやるのがベスト。
迷って立ち止まると何も得られませんが、行動して成長し続けていると何かしらのいいことがあります。
人生なんてそのときそのときの積み重ねでしかないので、ひたすら自分の道をいくしかないのです。
「真剣」とは何か
剣道で、面に小手、胴を着けて竹刀で試合をしている間は、いくら真剣にやっているようでも、まだまだ心にスキがある。打たれても死なないし、血も出ないからである。しかしこれが木刀で試合するとなれば、いささか緊張せざるを得ない。打たれれば気絶もするし、ケガもする。死ぬこともある。まして真剣勝負ともなれば、一閃が直ちに生命にかかわる。
人生は真剣勝負である。だからどんな小さな事にでも、生命をかけて真剣にやらなければならない。
「真剣」という言葉は使われる場面が非常に多いです。
「真剣に勉強する」
「真剣に勝負する」
「真剣に取り組む」
しかしながら実際に「真剣」という言葉の意味が意識されることはほとんどありません。
本来、真剣というのは本物の刀剣をさす言葉。生きるか死ぬかの勝負のことを「真剣勝負」というのです。
自分も必死。相手も必死。
なぜなら命がかかっているから。
「真剣」とはそのようなことを言うのであり、のほほんとした空気のことを行っているのではありません。
生活中において「真剣」になるというのは、それだけ正面から取り組むということ。
真剣にならないというのは時間のムダであり、貴重な人生の一部分を捨てていることにほかならないのです。
人を幸せにすることが自分の幸せにつながる
与え与えられるのが、この世の理法である。すなわち、自分の持てるものを他に与えることによって、それにふさわしいものを他から受けるのである。これで世の中は成り立っている。
だから、多く受けたいと思えば多く与えればよいのであって、充分に与えもしないで、多く受けたいと思うのが、虫のいい考えというもので、こんな人ばかりだと、世の中は繁栄しない。
もしあなたが成功したい、幸せになりたいと思うのならば、まずは周囲の人を幸せにすることから。
周囲の人を喜ばせられる人が、最終的には幸せになれるのです。
成功者がこぞって口にするのが、「自分一人では成功できなかった」という言葉。
一人では成功できないという言葉の意味するところは、周囲の人々を成功させることで、自分も成功「させてもらえる」ということです。
- お客さんに喜んでもらえる商品を売る
- 人に便利だと思ってもらえる物を作る
- 仕事を発注してお金を与える
成功はこれらの積み重ねであり、周囲を幸せにした分が返ってきているだけなのです。
悪い時期をやり過ごしていい時期に備える
わるい時がすぎれば、よい時は必ず来る。おしなべて、事を成す人は、必ず時の来るを待つ。あせらずあわてず、静かに時の来るを待つ。時を待つ心は、春を待つ桜の姿といえよう。だが何もせずに待つことは僥倖を待つに等しい。静かに春を待つ桜は、一瞬の休みもなく力をたくわえている。たくわえられた力がなければ、時が来ても事は成就しないであろう。
人生はいつも一定とは限らず、いい時期と悪い時期が存在します。
成長していくうちではどこかでスランプを経験することになり、多くの人はそこで挫折してしまいます。
成功する人はうまくいかない時のモチベーションの維持が得意で、いい時期が来たときのために自分を磨きます。
うまくいかない時期はパワーを溜める期間ととらえ、タイミングが来たときに120パーセントの力を発揮できるよう、ひたすら鍛錬に励むのです。
楽に努力せよ
額に汗して働く姿は尊い。だがいつまでも額に汗して働くのは知恵のない話である。それは東海道を、汽車にも乗らず、やはり昔と同じようにテクテク歩いている姿に等しい。
人より一時間、よけいに働くことは尊い。努力である。勤勉である。だが、今までよりも一時間少なく働いて、今まで以上の成果をあげることも、また尊い。そこに人間の働き方の進歩があるのではなかろうか。
仕事を一生懸命することは尊いです。
しかし仕事はあくまでも成果を上げるためにしているものであり、仕事そのものは目的ではありません。
そのため仕事は効率化できる部分は効率化し、今まで以上の結果を出せるようにすべきです。
努力は楽にするものであって、苦労して行うものではない。
仕事も楽をして行うのが基本で、不必要な部分で一生懸命になる必要はありません。
人事を尽くして天命を待つ
天命とは、これだけのことをつくしたから、これだけの結果があたえられるという、そんな計算の成り立つものではない。まして、私心多くなすべき人事もつくさずに、いたずらに都合よき成果のみを期待するのは、天命を知らざることはなはだしいといわねばなるまい。めまぐるしい利害の波の日々の中ではあるけれども、時におたがいに三省してみたいものである。
メンタルが弱い人にありがちなのが、本番で緊張して固まってしまうこと。
その原因は準備の段階にあり、やれるだけの準備をしていないから固まってしまうのです。
もし準備の段階でやれることをすべてやり、使える時間をすべてつぎ込んだならば、緊張もしなくなることでしょう。
本番に強い人は「人事を尽くして天命を待つ」を実践しており、準備に力を入れることの重要性を理解しているのです。
本番で100パーセントの力を出そうと思うのであれば、120パーセントに相当する分の準備をしなければならない。
準備や練習の段階で80パーセントしか準備できない人が本番で100パーセントを出すことは不可能です。
学校の部活動で大会に出た際、緊張しなかった時は練習の段階でやれることをすべてやっていたでしょう。逆に、緊張するときは練習が不真面目だったり。
やれることをすべてやり、ベストを尽くすというのが人間にできる精一杯のことなのです。
まとめ
インターネットが普及するよりもだいぶ前の時代に書かれた本ですが、今でも使えるような内容がかなり書かれています。
この本を読むのに遅すぎることはなく、まだ読んでいないのであれば読むのをオススメします。
スラスラと読めるものの、書いているのは世の中の本質を突いたことばかり。
人生のエッセンスが詰め込まれた本です。